パニック症候群 Part.2

 

◆症状 

 パニック障害の症状としては「動悸、息苦しさ、めまい、ふるえ、しびれ」などの身体症状と同時に「死ぬのではないか」「気が変になるのではないか」という破壊的な恐怖感が発作的に起こることが特徴です。それらの身体症状は他の疾患でも起こりますので、もっとも特徴的なのは「死ぬのではないか」「気が変になるのではないか」というイメージです。これらは言い換えれば「コントロールを失う恐怖」です。

 人間は実は無意識に一瞬先を予測して、一瞬先をコントロールして生きています。そして、その一瞬先の予測とコントロールが狂ったとき「パニック」になります。例えば

 階段を下りていて、もう一段あると思って足を運んだらなかった。その時、ものすごく驚きます。


 車、自転車で道を走っているときに、脇道から何かが飛び出してきて、とっさによけるかブレーキを踏もうとしたら、思ったようにうまく体が反応しなかった。このときも、一瞬パニックになります。


 これが一番にいたいことですが、泳いでいるときに足がつった、水を飲んだ、足がつくと思って休もうとしたら足が届かずおぼれそうになった。これは激しいパニックになります。

 このように、人は一瞬先を予測して、それをコントロールしながら生きています。そして、その予想が狂ったり、コントロールを失うとパニックになります。これらの場合、何が原因なのかは明らかなので、一瞬のパニックのあと「あーびっくりした、死ぬかと思った」「全然予測していなかった、一瞬気が動転して、我を忘れてしまった」となります。

◆広場恐怖と予期不安

つまり、こういった反応は人間の体にはじめから仕組まれているメカニズムだということです。では、このような日常出くわすことと、パニック障害の症状はどのように違うのでしょうか。それは何が原因なのか全くわからないということです。原因がわかれば対策を立てられます。それが、原因不明の激しい恐怖が、全く予想外にしばしば襲ってくるとなるとどうなるでしょう。もう何を信じて良いかわからず、危険な場所には近寄りたくなくなるのが人情です。そして、常に恐怖に襲われるのではないかと身構える生活になるのも当然でしょう。前者が広場恐怖、後者が予期不安と呼ばれるものです。

これらについて順番に解説していきます。
1.コントロールを失ったときの症状の正体
2.「原因不明」「誘因なし」で起こるというカラクリ
3.広場恐怖の理由
4.長期に続く「フワフワ感」の正体

           

 (執筆者)たけうち心療内科院長:竹内 聡HPより許可を得て転載)